SF小説にはいわゆる「地球および人類破滅もの」というジャンルがある。とてつもない異変が起きて、ヒーローが破局を食い止めたり、 生き残った人たちが苦難の道を歩んだりする▼
作家椎名誠さんが、SFに見る「地球の壊し方」のあれこれを「活字たんけん隊」(岩波新書)で
挙げていた。それを読むと、《1》核最終戦争型《2》細菌感染型《3》洪水や干ばつなど環境悪化型―といったように類型化できそうだ。
草を枯らすウイルスで生命が連鎖的に滅亡する作品は《2》と《3》の混合型か▼さて、深刻な原発事故で国土が損なわれ、事態は収束せず、
原因も究明されないまま停止中の原発を再稼働させ、再び惨事に見舞われる―。そんな想像したくもない展開の小説があったとしたら
▼絵に描いたような“愚策型”は読者に受け入れてもらえそうもない。最悪の事態を想定して万全を尽くすのが政治の役割だろう。
だが、野田佳彦首相と3閣僚は実直かつ誠実な筋書きが好みではないようだ▼容易に越えられるハードルを「新基準」と呼び、
未着手の安全策は「姿勢」を示すだけでOKとは。再稼働へのシナリオは“空想型”か、想定外の怖さを忘れた“記憶喪失型”か。
地元の「同意」は再稼働の前提条件にならないという官房長官発言にも驚いた▼「これで判断しないですむ」とほっとした知事が どこかにいたら…喜劇、いや悲劇だ。
2012・4・7 北海道新聞 卓上四季「地球の壊し方」
作家椎名誠さんが、SFに見る「地球の壊し方」のあれこれを「活字たんけん隊」(岩波新書)で
挙げていた。それを読むと、《1》核最終戦争型《2》細菌感染型《3》洪水や干ばつなど環境悪化型―といったように類型化できそうだ。
草を枯らすウイルスで生命が連鎖的に滅亡する作品は《2》と《3》の混合型か▼さて、深刻な原発事故で国土が損なわれ、事態は収束せず、
原因も究明されないまま停止中の原発を再稼働させ、再び惨事に見舞われる―。そんな想像したくもない展開の小説があったとしたら
▼絵に描いたような“愚策型”は読者に受け入れてもらえそうもない。最悪の事態を想定して万全を尽くすのが政治の役割だろう。
だが、野田佳彦首相と3閣僚は実直かつ誠実な筋書きが好みではないようだ▼容易に越えられるハードルを「新基準」と呼び、
未着手の安全策は「姿勢」を示すだけでOKとは。再稼働へのシナリオは“空想型”か、想定外の怖さを忘れた“記憶喪失型”か。
地元の「同意」は再稼働の前提条件にならないという官房長官発言にも驚いた▼「これで判断しないですむ」とほっとした知事が どこかにいたら…喜劇、いや悲劇だ。
2012・4・7 北海道新聞 卓上四季「地球の壊し方」
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